:::2006.08.30号より:::

せき かずお・ひろこさん夫妻
和雄さんは愛媛県松山市、裕子さんは三笠市出身。今年で結婚36年目。札幌市北区で創業41年のせき呉服店(1011・761・6816)を経営。「今まで見た最高の着物姿は娘の成人式」と目を細めます。共通の趣味は美術鑑賞と食べ歩き。

お客さまへの心配りは、どれだけ尽くしても終わりはないもの。満足した顔を見るのが私たちの喜びです

着物作家や陶芸の窯元などを訪ねるのが二人の楽しみ

 札幌市北区で呉服店を営む関和雄さん・裕子さん夫妻は今年で結婚36年目。その間、一男一女を育てながら、夫婦で店を切り盛りしてきました。呉服店に嫁いだ裕子さんは、「最初は着物のことなんて、全く分からなかったんです。接客業も初めてだったので、『いらっしゃいませ』という言葉すら、すぐには出てこなかったんですよ」と店に立ち始めた当時を振り返ります。不安の多かった裕子さんを支えたのは、もちろん和雄さん。接客経験が長く、勉強熱心な和雄さんが、いつも裕子さんを励まし続けたそう。
 そんな二人の共通の趣味は美術鑑賞。「着物は日本画や陶芸、華道、茶道など、日本の伝統的な芸術すべてにつながる総合美術だと思っているんです」と和雄さん。二カ月に一度、着物を買い付けに行く京都で、古いお寺や着物作家、陶芸の窯元などを二人で訪ねるのが楽しみの一つだとか。

店でも自宅でも、話題の中心はとにかく着物ばかり!

 「着物のことになると、話が止まらなくなるんです」と関さん夫妻は表情をゆるめます。その言葉の奥底には、「作り手の想(おも)いと着る人の気持ちをつなぎたい」という着物への情熱がひしひしと感じられます。「お客さまの雰囲気はもちろん、人柄にも合わせて着物を選びます。帯締め一本でも妥協せず、よく話し合って決めるんですよ。一度議論が始まるとなかなか止まらず、違う意見が出ることも。でも、それがいいんですよ」とほほ笑む和雄さん。
 最近では、神戸の呉服店で修業を積み、5年前から一緒に働く長男の琢也さんも交えて、着物談義は尽きません。「お客さまへの心配りは、どれだけ尽くしても終わりはないもの」と和雄さん。「お客さまの満足した顔を見ることが、私たち夫婦の共通の喜びです」と裕子さん。そう語る二人のまなざしには、日本の伝統衣装である、着物への愛着があふれていました。