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撮影/久保秀樹 |
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とにかく楽しめる映画。全部のシーンを見逃さないで(妻夫木)
時は、学生運動が盛んな1969年。舞台は、基地の町、長崎県佐世保市。「楽しく生きる」が信条の高校生ケンと仲間たちは、学校をバリケード封鎖したり、フェスティバルを計画したりと、人生や恋に奮闘する…。
村上龍の自伝的青春小説「69 sixty nine」を、宮藤官九郎の脚本で、李相日(リ サンイル)監督が映画化。全編を通して、高校生の熱気やスピード感、若いパワーが伝わる底抜けに明るい青春映画です。見た後は、スポーツで汗を流した後のようにそう快な気分になれるはず。主役のケンを演じているのは、ドラマや映画で活躍中の妻夫木聡さん=写真・上=。エネルギッシュでお調子者だけどチャーミング。そんなケンをとても魅力的に演じています。
「共演者とは本当に仲良くなれて、よく一緒に焼き肉を食べました。24時間撮影してキツいこともあったけど、一つひとつの演技に愛情をもって妥協せずできた現場は本当に楽しかった」と懐かしそうに語ります。撮影中は、映画同様、笑いのある楽しい現場だったそう。見ていてうらやましくなるような、まさしく”仲間“という雰囲気が映像に自然とにじみ出ています。
この絶妙な空気感が共演者の間に生まれたのには、監督の力もあったかもしれません。「頼れるアニキ的存在」と妻夫木さんが言う李監督は30歳。ケンの同級生・大滝を演じた加瀬亮さん=写真・下=は、監督についてこう語ります。「いい意味で監督と俳優との境界線を作らない人。カメラの前と普段との境界線もなかったように思います。もしかしたら、それも監督の演出だったのかもしれないけど。柔らかさとしなやかさを持ちながらも、しっかりと芯(しん)が通っている。その不思議なバランス感覚が魅力的な人です」。
加瀬さんが監督から最初に言われたのが「肩の力を抜いて楽しんで」ということ。「自由な場所を与えられ、楽しくやらせてもらいました」と言うように、李監督が、若い出演者の力をうまく引き出したのでしょう。その結果が、まさに妻夫木さんのこの言葉。「いろんなものが詰まった贅沢な映画ができました。すべてのシーンを見逃さないで全部見てほしいです」。
その言葉どおり見どころ満載の映画ですが、笑える場面が多い中、印象的なのが、教師役の嶋田久作さんにケンが殴られるシーン。「嶋田さんはすごくまじめな人で、”本気で“ってお願いしたら思いきり殴ってくれて。すごくいいシーンになりました。あまりの力で一瞬記憶が飛びましたけど(笑)」と妻夫木さん。そのほか、柴田恭兵さん演じる父親が、ケンを励ますシーンも必見。泣ける名場面です。
60年代から70年代に青春時代を過ごした人も、今高校生の人も純粋に楽しめる映画。元気になりたいあなた、さあ劇場へ! |