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撮影/笠井義郎 |
伝えたいのは“愛”。終了後、誰かに優しくしたくなるようなコンサートにしたいですね
“言葉”にこだわり、一語一語丁寧に、心にしみいる歌を歌うクミコさん。これまではシャンソンを中心に歌っていましたが、昨年11月、初の歌謡曲「わたしは青空」を発表しました。作曲は、歌謡界の名曲を数多く手がける三木たかしさん、作詞は、クミコさんのヒット曲「わが麗(うるわ)しき恋物語」に詞を付けた覚和歌子(かくわかこ)さんが担当。「人生と重ね合わせて歌える、大人の歌謡曲を」という3人の思いが重なって誕生したこの曲は、亡くなった人が、残された人を優しく見守る気持ちをつづった詞が印象的。聞いていると、心に小さな明かりがともるような温かい歌です。
「昨日までいた人が突然いなくなるというのは、この上ない悲しみ。それを歌ったこの曲は、最初とても悲しく思えて、練習し始めたときはよく泣いていました。でも、長く生きていれば多くの別れを経験するもの。それでも残された人は生きなきゃいけない。じゃあどうしたら生きる勇気を持てるだろう、どうしたらその悲しみから逃れられるだろう…と考えますよね。この曲はその問いに対する一つの答えなんです。“青空になっていつも向こう側からあなたを見ているよ。だから悲しまないで”というメッセージ。そう思ったら、つらい思いをしている人を少しでも力づけられような、祈りの気持ちで歌おうと思えました」。その言葉通り、これは新しい出発の歌であり、静かな希望を感じさせる内容です。
彼女が歌を通して伝えたいのは“愛”。「若いころは恥ずかしくて言えなかったけれど、やっぱり”愛することは素敵“と伝えたい。愛が人と人とをつなぐし、愛は連鎖すると思うんです。家族や恋人への愛はもちろん、例えば電車で席を譲るのも愛の一つ。そんなふうに親切にされたら、自分も誰かに優しくしたくなって…。そんな愛の連鎖が起こるといいですよね。日常の小さな思いやりが、居心地の良い社会を作ると思うんです。大げさに言えば、そういう愛や優しさの積み重ねが戦争だってなくすかもしれない」。そう語る柔和な笑顔からは、彼女の歌と同様、周囲の人を優しく包み込むような温もりが感じられました。
4月には、札幌でコンサートを開催。キャッチフレーズは「手ぶらで来てね」だとか。それは、先入観なしに素のまま、構えずに来てほしいということ。「手ぶらで来て、私の気持ちのお土産を持って帰っていただけたら…。終了後、思わず誰かに優しくしたくなるような、優しい気持ちになってもらえたらすごくうれしいですね」とほほ笑みます。最近ちょっぴり元気がなかったり、心が少し疲れているなと感じる人はぜひ足を運んでみてください。ステージから、優しさと元気、そして愛をもらえるはず。 |