
:::2007.04.04号より:::
撮影/久保ヒデキ
ピアニスト・外山啓介
一人でも多くの人に聞いてもらいたいし、伝えたい。何より聴衆の心に残る演奏ができればいいですね
昨年は、モーツァルト生誕250周年を記念したさまざまなコンサートが全国各地で開催されたり、音楽大学に通う学生を主人公にしたコミックのテレビドラマ化の影響もあり、一躍クラシック音楽の世界にスポットが当たったともいえる年。そんなブームが続く中、札幌出身のピアニスト・外山啓介さんが「デビュー・リサイタル・ツアー」を開催しています。
現在、東京藝術大学大学院に在籍中の外山さんは、大学3年生の時に日本を代表する若き音楽家の登竜門として知られている「第73回日本音楽コンクール」に出場。ピアノ部門で1位を獲得し、さらに全出場者の中でも、もっとも聴衆の心を打つ演奏をした人に贈られる同大会最高位の増沢賞を受賞した実力の持ち主。「中学、高校のころは、年間行事のように大会へ出場していましたが、大学進学後はなかなか機会がなく、ようやく学んだ経験を生かして自分の勉強のために出たいと思ったのが日本音楽コンクールでした。受賞の知らせを聞いたときは本当にうれしかったですね」(外山さん)。
長い指を生かしたダイナミックなタッチから繰り出される、みずみずしくも繊細で美しいメロディー。音楽はもちろん、彼の演奏する姿も聴衆を引き付けるといわれているとか。「特に意識して弾いているつもりはないのですが…。ただ、音を正確につかむために、なるべく耳の位置を動かさないように気をつけて演奏しています」。
1月にはデビューアルバム「ショパン:HEROIC」を発売。「CD化の話をいただいた時は、今まで自分がやってきたことが認められたのだと実感しましたし、これからも頑張れと応援してくれているようでとてもうれしかったです。巨匠と呼ばれる人のような素晴らしい演奏をしなければならないとプレッシャーを感じるのではなく、今の自分にしか表現できない音楽を精いっぱい演奏しようと思いました。まずは多くの人々に聞いてもらいたいし、伝えたい。そして何よりも聴衆の心に残る演奏ができればいいですね」。
これまで、東京フィルハーモニー交響楽団、新日本フィルハーモニー交響楽団、札幌交響楽団、日本フィルハーモニー交響楽団など、多くのオーケストラと共演していますが、リサイタルは初となります。「デビュー・リサイタル・ツアー」では、2月の帯広公演を皮切りに、サントリーホールをはじめ、全国各地を回るなど、新人としては異例のスケールとなる本格デビューを果たしました。
最終日となる25日の公演は地元・札幌で開催。「『同じ道産子として応援しています』とよく言われますが、僕自身も北海道の皆さんから元気付けられています。何よりも地元で演奏できることが幸せです。当日は、皆さんと一体となれるような楽しいコンサートにしたいです」。終始、さわやかに話をしてくれた外山さん。札幌公演では、どのような演奏を聴かせてくれるのか楽しみです。
(山田実穂)
「ショパン:HEROIC」3000円(エイベックス ー クラシックス)
4月25日(水)19時より、札幌コンサートホールKitara大ホールにて「外山啓介 デビュー・ピアノリサイタル(オール・ショパンプログラム)」を開催。料金はA席売り切れ、B席2000円 チケットに関する問い合わせは、オフィス・ワン011・612・8696へ

とやま けいすけ
1984年、札幌市生まれ。5歳からピアノを始め、現在東京藝術大学大学院修士課程に在籍中。同大学3年時に出場した「第73回日本音楽コンクール」では、ピアノ部門第1位のほか、最高位の増沢賞や井口賞、野村賞、河合賞、聴衆賞を受賞。これまでに数々のオーケストラと共演を重ねている
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