:::2003.11.19号より:::
適度な温度と湿度で快適な環境を保ちましょう
暖房を使い始めると、室内の乾燥が気になります
 雪がちらつき始め、いよいよ冬本番です。暖房を使い始めると気になるのが室内の乾燥。快適な室内環境をつくるためのポイントを、北海道立北方建築総合研究所・環境科学部居住環境科(旭川市緑が丘東1−3/0166・66・4235)の伊庭千恵美さんに教えてもらいました。合わせて、イマドキの加湿器事情をリサーチしたので、参考にしてくださいね。
必要以上に室温を上げていないかをチェック
 冬季は部屋の中が乾燥しがちと言われますが、最初に気をつけたいことは、「必要以上に部屋を暖めてはいないだろうか?」ということです。
 最近の高断熱高気密住宅では暖房の設定温度が高く、これが過乾燥につながっている場合があります。一方で、過剰な加湿を行うと結露が発生する恐れがあるので、温度と水蒸気の適切なコントロールが必要になります。
 断熱気密性能の良い住宅では、室内の温度ムラが少なくすき間風もないため、室内のどこかで水蒸気が発生しても部屋の中に一様に広がります。しかし、窓ガラス付近など温度が低い場所の近くで加湿をすると、そこで結露してしまうことに。ですから、加湿器は部屋の中で一番暖かく、近くに邪魔なものがない場所に置くことが大切。部屋の大きさに合わせた能力をもつ加湿器を選択すれば、分散させて置く必要はありません。
 一方、すき間の多い住宅では、すき間風に乗って水蒸気も移動します。暖かく湿った空気が暖房のある部屋からない部屋に入って結露したり、1階で暖められた空気が上昇し、2階の窓ガラスで結露したりする場合もあります。

室温は20〜22℃、湿度は30〜40%を目安に
 人が健康に過ごせる温湿度の範囲は、一般的に温度は20〜25℃、湿度は40〜60%と言われています。
 とはいうものの、23℃で湿度が60%の空気の露点温度(結露する温度)は約15℃。複層ガラスを使った窓でも、外がマイナスになるなど冷え込んだ時はその付近の温度もかなり下がるので、結露してしまうことに。
 ガラスの結露の場合は目に見えるのですが、押し入れの奥などの目に見えにくい部分の結露はさらに問題です。タンスの裏やじゅうたんの下などで結露しカビが生えてしまうと、人間だけでなく建物の健康も害してしまいます。人間と建物の健康を両立させるためには、20〜22℃、湿度30〜40%くらいを心掛けてください。くれぐれも過剰な加湿・暖房をしないよう、温湿度の設定に注意しましょう。
 また、最近では吸放湿性のある内装材やクロスのような製品もあります。これは室内の湿度の急激な増加や減少を緩和する働きがあり、結露防止にも効果があります。ただし、材料によって効果のある湿度の範囲や吸放湿量が異なるので、その材料が自宅の環境に合っているかどうか、専門業者と相談するのを忘れずに。

加湿器は機能に応じて使い分けを
 イマドキの加湿器事情を「ヨドバシカメラ」(札幌市北区北6西5/011・808・1010)の上野明さんに聞いたところ、加湿器は次の3つのタイプに分かれているとのこと。
 1つは従来からのスチームファン方式。いわゆるお湯を沸かして蒸気を発生させるタイプのものです。もう1つは、水を含ませたフィルターにファンで送風することで気化させるヒーターレスファン加湿方式。いわば洗濯物を風で乾かす要領です。そして、この2つの中間にあるのがスチームとヒータレスを混合させたハイブリッド方式です。補助ヒーターを使うことで、フィルターの水分を温めて気化させるので、機械の立ち上がりが早いのが特徴です。 
 スチームタイプは、音が静かで、スピーディーに加湿できるのがメリット。手入れが簡単なのも魅力です。ただし、吹き出し口から熱い湯気が出るので、小さな子供がいる人はやけどをしないように配慮が必要です。消費電力が大きいので、常時使わない寝室などに使用するとよいでしょう。小さな子供がいるなら、涼しい風が出てくるヒータレスファン加湿方式や、ハイブリッド方式の方が安心といえます。消費電力は少なめですが、立ち上がりが遅く、音がやや大きめ。居間などみんなが集まり、常時使う部屋にお勧めです。
 それぞれの機能を理解して、上手に加湿器を使い分け、快適な室内づくりを心掛けてください。


←ハイブリッド式加湿器
カートリッジにローズマリーのエキスをセット。三菱SV-H603。加湿量600ml。
希望小売価格2万2000円。税別

ハイブリット式加湿器→
加湿状況が水位の変化で分かるクリアータンクを採用。
シャープHV-P50CX。加湿量500ml。
希望小売価格2万7000円。税別

←スチーム式加湿器
スチームを「セラミックカテキンカートリッジ」に通すことで、カテキンミストを発生。
象印EE-GK30。加湿量300ml。希望小売価格2万円。税別
ヒーターレスファン加湿器→
赤ちゃんに配慮し、操作パネルの光量や運転音を自動的に落とす「おやすみボタン」付き。
サンヨーCFK-VX50D。
加湿量500ml。オープン価格