:::2008.06.25号より:::

 心も体も健康に暮らすために、「笑い」が重要な役割を果たしていることが、近年の研究で分かってきました。そこでオントナが提案するのは「笑いのある暮らし」。笑いが心身にもたらす働きを紹介します。また、思い切り笑えるライブ情報やオントナスタッフがお勧めする本やDVDも掲載。あなたの暮らしにもっと「笑い」を取り入れてみませんか?

 

笑うことで、心も体も健やかに

 時代はお笑いブーム。今やテレビでお笑い芸人の姿を見ない日はありません。また、ドラマなどの影響で、若い世代の間でも落語が人気とか。多くの人がこぞって「笑うこと」を求めているような現代、「笑い」が医学の分野でも注目を集めているのを知っていますか?
 国立函館病院の副院長を務め、 「北海道笑ってもいいんでない会」の副笑司長でもある循環器医の伊藤一輔先生によると、笑うことで免疫力がアップしたり、ストレスを緩和することができるのだそう。「人間は、ガン細胞などを破壊するといわれている『ナチュラルキラー細胞』を持っています。このナチュラルキラー細胞は、『笑い』などのポジティブな感情によって活性化するんですよ」(伊藤先生)。
 さらに、笑いは心と体をつなぐ神経である自律神経にも作用。自律神経は交感神経と副交感神経の2つの神経によって成り立ち、この2つが均衡を保つことが、心と体の平穏につながっています。しかし、ストレスを受けると、交感神経ばかりが活発になってしまうのです。そこに「笑い」という刺激を与えることで、自律神経はバランスを取り戻します。
 また、交感神経には、血管を収縮させ、血圧を上げたり脈拍を早めるはたらきが。つまり、笑いによって交感神経と副交感神経のバランスを整えることで、血圧や脈拍数が上昇し過ぎるのを防ぎ、血管や心臓の負担を軽くすることにも一役買うのだそうです。
 このように、笑いは心と体のバランスを整え、ストレスをリセットしてくれる力があるのです。

 ただ注意したいのは人をばかにするような否定的な笑いでは、この効果は得られないということ。あくまでも、「楽しい」「うれしい」など、「快」の感情から生まれる笑いが心身の健康を助けてくれるのです。
 とはいえ、楽しいことやうれしいことと同じだけ、つらいことや悲しいことが存在するのも事実。できるだけ笑顔で過ごしたいと思っていても、普段の生活では笑ってばかりもいられないもの。伊藤先生によると、人間は笑顔を作るだけでも、楽しい気持ちになることができるそう。
 私たちは、うれしいことや楽しいことがあると自然に笑います。そのとき、目や鼻、舌などの感覚器官が「うれしい」「楽しい」という感覚をキャッチし、脳に伝えています。すると脳は、顔の筋肉を動かすように命令。その結果が笑顔となって現れるのです。
 逆に、特別うれしいことや楽しいことがないときに意識的に笑顔を作ってみたとしましょう。すると、顔の筋肉の動きが脳に伝わり、脳は「笑うとき」、つまり、うれしいときや楽しいときと同じように働きます。結果、感覚器官からの刺激がなくても楽しい気持ちになるのです。この働きを研究者の間では「顔面フィードバック効果」と呼びます。
 やりきれないときやつらいときは、ほんの少し鏡を見て、鏡の中の自分に笑いかけてみてはいかがですか? 気分が晴れるかもしれませんよ。

 

高まる「笑い」の効能への期待

北海道大学大学院文学研究科・文学部の公開講座の様子

 笑いが健康に及ぼす影響を踏まえ、笑いで患者の回復を助ける「笑い療法士」が登場するなど、医療や福祉の現場ではさまざまな形で取り入れられている「笑い」ですが、その力に注目しているのは医療だけではありません。
 北海道大学大学院文学研究科・文学部では「笑い力(りょく)―言葉の<笑><和><話>術―(わっ はっ はなすべ)」と題した公開講座を行っています。この講座は「笑い」をテーマに、文学や哲学、音楽をひもとくというもの。笑いをテーマにした講義の中で、受講者の笑いを誘うことを意識しているそう。
 同大学院の教授であり講師も務める千葉恵先生によると、「60歳くらいの受講者が、『(講座を受けていると)2分に1回は笑っている。なんだか若返った心地がする』と言っていました」。
 また、千葉先生は「視点を転換することで、学問や文化の中からも新たな笑いを生み出せること。そして、『笑い』を通して、さまざまな視点から人生を吟味することで、より豊かな現在を生きられることを示したい」とも話します。「笑い」は、「柔軟なものの見方や発想」の大切さを、私たちに教えてくれるものであるのかもしれません。
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 今年も後半に突入。これからの半年をどう過ごすか考えている人も多いと思います。そのプランの中に、ぜひ「笑顔で過ごす」という目標を入れてみませんか? 千葉先生は「笑うということは、その対象を愛し、肯定することから始まる」と話してくれました。
人間関係がうまくいかなかったり、仕事が不調だったとしても、視点を変えるとそれも笑いの種になるかもしれません。広い視野を持ち、自分を取り巻く世界を肯定する。笑顔で過ごす健やかな毎日は、そんな心掛けから始まるのではないでしょうか。

オントナスタッフお勧めの本、コミック、映画、DVD

家族や仲間との会話やコミュニケーションのなかで笑うのも楽しいものですが、手軽に笑えて元気がもらえる本や映画もお勧め。オントナスタッフが思わず笑ってしまった作品を紹介します。参考にどうぞ。

悶絶スパイラル

三浦しをん●太田出版/1470円

 マンガと本とオダギリジョーをこよなく愛する直木賞受賞作家のエッセー集。オダギリジョーが、映画でシャツのすそをズボンに入れていたことから始まる考察をはじめ、妄想と突っ込みが冴え渡る一冊です。
(藤田郁美)

生きるコント

大宮エリー●文藝春秋/1260円

 映画監督である著者の日常を描いたエッセー集。まじめに生きているのに、なぜそうなるの? というコントのような面白いエピソードが満載。とにかく笑えますよ。
(曽賀環)

コミック

ひまわりっ〜健一レジェンド〜

東村アキコ●講談社/既刊7巻、各540円

 主人公アキコの父・健一の天真らんまんさと意表をつく言動はまさに伝説的!モデルは作者の父、エピソードは「ほぼ実話」だそう。個性的な脇役たちの活躍も楽しくて、吹き出すこと請け合いの漫画です。
(遠藤真善美)

©東村アキコ/講談社

よつばと!

あずまきよひこ●アスキー・メディアワークス/既刊7巻、各630円

 自由奔放な女の子・よつば。予想不可能なよつばの行動や発言に、思わず「ぶぶぶ」。子どもの目線から世の中を見ると、世界は大きくて面白い!と感じさせてくれる漫画です。大人も大人だからこそぜひ。
(細川美香)

映画

ザ・マジックアワー

配給:東宝

 三谷幸喜監督の最新作。売れない俳優を演じる佐藤浩市の過剰な演技はまさに抱腹絶倒! ぜひ映画館で、周りの人と一緒に存分に笑ってほしい作品です。
(斉藤美香)

DVD

やっぱり猫が好き

発売元:フジテレビ映像企画部
販売元:ポニーキャニオン/3990円

 マンションの一室を舞台に、恩田三姉妹が巻き起こす騒動を描いたドラマ。アドリブのようなせりふと、先の見えない展開で虜(とりこ)に。小林聡美さんが演じる、きみちゃんの踊りをまねしたらウケました。皆さんもぜひ。
(近藤志麻)

©1988〜1990フジテレビ

これから札幌にやって来る、お勧めの笑える公演を紹介します。たくさん笑って“福”を呼び込んでくださいね。

「志村魂3」では、おなじみ志村けんの"バカ殿様"にも会えますよ

志村けん一座公演「志村魂3」

今年で3年目となる人気舞台。新作を交えて爆笑ネタを披露します

●日時 7月4日(金)18時30分開演、5日(土)13時開演、18時30分開演
●会場 札幌市教育文化会館大ホール(札幌市中央区北1西13)
●料金 8500円(全席指定)、道新プレイガイドほかで発売中 ※3歳以下入場不可

桂歌丸・春風亭昇太二人会

ライブの落語の面白さは格別! 持ち味の違う2人の芸風を楽しんで

●日時 7月8日(火)18時30分開演
●会場 札幌市教育文化会館大ホール(札幌市中央区北1西13)
●料金 5000円(全席指定)、道新プレイガイドほかで発売中