:::2008.08.06号より:::

いま話題の展覧会に行こう!!

 この夏の北海道は、見どころたっぷり個性的な美術展の花盛り。各地の道立美術館で開催されている展覧会を実際に見てきた美術マニアのオントナスタッフが、特にオススメの3展(札幌・旭川・函館)の見どころを紹介します。夏休みのお出かけにも、まだ間に合いますよ!

 

力強い筆致と迫力に息を飲む、世界初公開のデッサン群

没後40年
レオナール・フジタ展

道立近代美術館

開催中〜9月4日(木)

■札幌市中央区北1西17 
  TEL011・644・6882
■開館/9時30分〜17時(入館は16時30分まで)会期中の金曜は夜間開館19時30分まで(入場は19時まで)、月曜休館
■観覧料/一般1200円、高大生700円、小中生500円ほか各種割引あり

「平和の聖母礼拝堂」内部を習作(デッサン)で再現

壁にフレスコ画のあるフジタのアトリエも再現されました

 本展最大の見どころは、群像大作の連作「構図」「争闘」の日本初同時公開ですが、個人的にオススメなのはイエス・キリストの生涯を描いた「平和の聖母礼拝堂」の再現スペース。これを観るために、何度でも通いたいと思える素晴らしさなのです。
  飾られているのは、フレスコ画制作のための習作(デッサン)。力強く描き重ねた線が人体や衣装のリアルな質感を生み、息を飲むほどの迫力に。硬質な細い線で輪郭を描く作品イメージからすると驚くほどたくましい筆致で、その意外さがまた、フジタへの興味関心を一層高めてくれます。
  実はこのデッサン、なんと世界初公開! 本展を契機に発見・公開された貴重な作品群で、海外の美術関係者からも注目されています。それを間近に見られる幸運、逃す手はありません。

 

興味深い! 癒される… ブタがモデルの美術作品

トンちゃんアート展 ハコビでBOO!!

道立函館美術館

開催中〜9月23日(火)

■函館市五稜郭町37ノ6
  TEL.0138・56・6311
■開館/9時30分〜17時(入館は16時30分まで)、月曜と9月16日休館
■観覧料/一般1000円、高大生600円、小中生300円ほか各種割引あり

リアルなものから抽象まで、多種多様なブタさんぞろい

地元・函館のアーティスト石川久美子さんの大型陶器作品「キューピッグ」

 古今トン西…じゃなくて東西の、ブタをモチーフにした美術作品・計146点が一堂に会する、世界でも珍しい展覧会です。リアルな造形物・絵画・写真から、愛らしくキャラクター化したイラストや人形までが勢ぞろい。「ブタ」がこんなにも作家心を刺激するモチーフであり、こんなにも多種多様なアート作品になりうる対象なのだという事実に、正直びっくりです。出展作家のうち、ハンス・イヌメをはじめ計6作家が、本展のため自ら進んで新作ブタを制作したそう。
どの作品もどこかほのぼのとしてユーモラス。見ているうち、あぁ癒やされる…。
  中には北大教授・武田雅哉さん(中国文学)による「猪八戒」研究の発表も。アカデミックな観点から古来よりのブタと人との関わりを知ることができます。

 

物語世界から史実まで、
ミーハーにもまじめにもとことん楽しめる

大三国志展
悠久の大地と人間のロマン

道立旭川美術館

開催中〜8月24日(日)

■旭川市常磐公園内
  TEL.0166・25・2577
■開館/9時30分〜17時(入館は16時30分まで)
■観覧料/一般1000円、高大生700円、小中生300円ほか各種割引あり
■本展に関する問い合わせ/HBC北海道放送 TEL.011・232・5826

曹操一族の墓から出土した「銀縷玉衣(ぎんるぎょくい)」(手前)は、玉を銀の糸でつづった葬衣

ファンの多い諸葛亮孔明コーナーには、イラストと等身大のイメージ人形が…

 小説・マンガ・人形劇・ゲーム…。あなたは何がきっかけでハマりましたか「三国志」! 本展は前半で「三顧の礼」ほか物語世界の名場面をなぞり、後半では出土品や遺物を通して史実としての三国の歩みをつづる内容。ファンとしては、「これがあの赤壁で放たれた鏃(やじり)か…」と、“目にするものすべてに感無量”といった気分に。
  展示品は、中国国家文物局の全面協力を得て34カ所の博物館から借り受けたもの。「三国志」というテーマでこれだけの質と規模の展示物が集結するのは、「たぶん世界初」。二度と実現しない可能性も大です。
  川本喜八郎の人形や正子公也のイラスト、美青年俳優が劉備らに扮(ふん)した映像なども、ファン心を熱く盛り上げてくれます。売店も充実。三国志版ガンダム・プラモデルもあり。