:::2008.06.18号より:::

 いよいよ目前に迫った北海道洞爺湖サミット。間もなく世界中の関心が北海道に寄せられようとしています。しかし一方で「サミットって一体何をするの?」「どんな人たちが集まるの?」など疑問を抱いている人も多いのでは? そこで今回は、知っておきたいサミットの基礎知識についてQ&A形式で分かりやすく紹介します。

イラスト/エトブン社

Q1

そもそも、サミットって何?

A

世界の主要8カ国のトップが集まって
自由な意見交換をする国際会議です

 サミットとは、G8(Group of 8の略)と呼ばれる8カ国(日本、カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、ロシア、イギリス、アメリカ)の首脳と、EUの欧州委員会(EUの行政執行機関)の委員長が集まって行う、年に1度の国際会議です。
 最初にサミットが行われたのは1975年。オイルショックなどをきっかけに、先進国が中心となって、世界が協調して経済政策を行っていくことの必要性が問われるようになりました。そこで各国の首脳が総合的な議論をするための場として、サミットが開かれるようになったのです。
 サミットの大きな特徴は、各国首脳が非公式にフランクな意見交換を行うほか、組織のトップが決定した事項を部下に指示する「トップダウン方式」で物事を決定すること。各国首脳の決断に基づく措置が速やかに行われるということも、サミットが世界中から注目を集める理由の一つなのです。

Q2

今回のサミットでは、どんなことを話し合うの?

A

環境問題を中心に、
4つの主要テーマについて話し合います

 今回のサミットには、主要となる話し合いのテーマがあります。「環境・気候変動」(主に地球温暖化対策について)、「開発・アフリカ」(アフリカ諸国の発展へ向けての取り組みについて)、「世界経済」(食料危機問題をはじめとする世界の経済問題について)、「不拡散をはじめとする政治問題」(大量破壊兵器などが世界に広がることと、テロの発生をどのように防ぐか)の4つです。
 特に重要な議題とされているのは「環境・気候変動」。1997年に制定された京都議定書では、
2008年から2012年までの5年間で、1990年の温室効果ガスの排出量から5%削減することが目標。この取り組みが実際にスタートする今年のサミットでは、さらにその次のステップについて話し合われます。昨年のサミットでは、2050年までに温室効果
ガスをさらに半分まで削減するために検討していくことが決まりました。今回のサミットで、それを具体的にどう進めていくか議論される予定です。

Q3

どうして洞爺湖町で開催されることになったの?

A

環境問題を考えるのにふさわしい豊かな自然と、
警備体制を整えやすい条件が評価されました

 サミットは毎年、G8の間で持ち回りで開催しています。開催国はその年の「議長国」となり、事前準備や議事の進行を行います。
 90年代末まで、サミットが行われるのは開催国の首都などの大都市でしたが、今は、反グローバリズム(経済が地球規模で行われることで、貧富の差の拡大や環境問題が引き起こされているという考え)団体のデモなどを理由に、警備のしやすい地方都市で開催されるのが主流です。
 日本でサミットを開催するにあたり、北海道洞爺湖町が開催地として選ばれた理由はいくつかあります。警備体制を組む際に、地域の負担が少なくて済むということ。次に環境問題を重要なテーマの一つに掲げるこのサミットにふさわしい豊かな自然があるということ。そして安倍前首相が提唱していた「美しい国 日本」というキャッチフレーズにも合致するなどです。   
 2000年の九州・沖縄サミットに続き、日本の魅力を地方から発信する機会として期待されています。

Q4

サミットにはどんな人がやってくるの?

A

G8各国の首脳陣に加え、15カ国を招待。
過去最大規模のサミットに

 サミットには、G8とEUのほかにも、「アウトリーチ」というG8とEU以外の国や国際機関と話し合う場があります。
 アウトリーチとして参加する国は議長国が決定し、招待しますが、ブラジル、中国、インド、メキシコ、南アフリカの5カ国で構成される経済的に影響の大きな国々は、オブザーバー(発言権はありますが、議決権は持たない傍聴者のこと)として常に会議に参加します。これらの5カ国を、「アウトリーチ(OUT REACH)」の頭文字を取って「O5」と呼んでいます。
 洞爺湖サミットでは、1日目のアフリカ開発に関する会合にはアルジェリア、エジプト、エチオピア、ガーナ、ナイジェリア、セネガル、南アフリカ、タンザニアの8カ国とアフリカ連合、3日目の環境問題についての会合には、O5にオーストラリアやインドネシア、韓国の3カ国を加えた8カ国が参加。G8と合わせると23カ国、2つの連合の首脳が集まることになり、今までで最大のサミットとなります。
 また、サミットではさまざまな国の人が集まって話し合いをしますが、参加者は自国の言葉で話をしています。発言は同時通訳によって各国の言葉に訳され、インカムを通して首脳たちの耳に届くのです。