おじいちゃん、おばあちゃんによる「孫育て」のポイントを紹介します

孫との上手な付き合い方

「孫育て」という言葉を知っていますか? 親が子どもを育てる「子育て」と同様に、祖父母の子育て参加を「孫育て」と呼び、静かなブームを呼んでいます。最近は、本やインターネットのメールマガジンなど、孫育てをテーマにした情報が多く発信され、全国で講座なども開催。そんな孫育ての現状を探り、孫との上手な付き合い方を考えます。(佐藤悦子)

「親の足りない部分を補いたい」など、祖父母の孫に対する意識が変化

前回実施された「孫との楽しいつきあい方」講座 「目の中に入れても痛くない」といわれるほど、かわいいのが孫。しかし、「自分たちが行ってきた子育てと、娘や息子夫婦たちの育て方が違う」と不安を感じたり、物質的に豊かな今の時代に「孫に与えられるものは何か」と、戸惑う祖父母が多いよう。
札幌市子育て支援総合センターでは、そのような「祖父母と孫の関係」に注目し、祖父母を対象とした「孫との楽しいつきあい方」の講座を平成16年から年2回開催。子どもの成長発達に触れながら、遊び方をはじめとした孫とのかかわり方を講義しています。
参加者の中には、「孫とどう接していいのか分からない」「孫が喜ぶ遊びを知りたい」という思いを持つ人が多かったようですが、講座終了後は、「子どもという人格を認識できた」、「孫と会うのが楽しみ」などの感想が聞かれたそうです。
同センター主任の武田智子さんは、「今の祖父母世代は、社会が核家族化した最初の時代の人たちが多いようです。自分自身が祖父母と暮らした経験がないため、孫との接し方に戸惑うのでは」と分析します。
絵本と木の童具(どうぐ)を販売する「ブックスほるぷ」の村上深雪さんは、10年前から「子育て講座」を主催していますが、「ここ2~3年は、おばあちゃんの参加が増えています。自分の子育て時代は忙しくて、 ゆっくり子どもに接することができなかったけれど、孫に対しては時間がある。単にかわいがればいいというだけではなく、親の足りない部分を充足させてあげたいと思うなど、孫に対する意識が変わっている」と感じているそうです。

脇役に徹する姿勢で孫とのコミュニケーションを楽しむおばあちゃん世代も

公園が大好きな孫と一緒に遊ぶオントナ・パートナーの庄司あつ子さん
孫を持つオントナ・パートナーたちは、どのように孫と接しているのでしょうか。札幌市東区の斉藤久子さんは、函館に住む6歳の孫と、メールや手紙のやり取りなど頻繁にコミュニケーションを取っています。「楽しいのはもちろんですが、文章や絵で自分の意思を表現することを身に付けてほしい。ちょっと難しい漢字をわざと書いて、調べさせるようにしているんですよ」と、教育熱心な部分も。
しかし、一方で「自分の子どもなら叱るところを、孫だとどうしても甘くなってしまう。どこまで孫の思い通りにしていいのか悩みます。これからはワンクッション置かないといけないかしらと、考えています」と斉藤さんは話します。
車で20分ほどの距離に住む孫を持つのは、同西区の庄司あつ子さん。孫が熱を出したときなどに看病に駆け付けたり、買い物に付き合ったり、遊び相手をしたりと触れ合う時間が多いそう。「子育てに半分参加しているようなものですが、自分の子と違って孫は無責任にかわいがることができる」と笑います。
しかし、親密な関係ゆえに、孫の欠点を娘の前で何げなく言ってしまったことがあり、娘から「そんな言い方をしないで」と注意されたことも。「娘や孫といえども一個人。しつけなどの参考意見を出しても、最終的に決めるのは娘夫婦です。一歩引いて見守っていきたい」と庄司さんは語ります。
共に密接な関係でありながらも、教育の主役は親たちであることを十分に意識してしているようです。

「甘やかす」のではなく、「甘えさせる」ことができるのは、祖父母だからこそできること

3世代で絵本を探しに来る親子も。孫との接し方について、おばあちゃんが相談に来るケースは多いそう(ブックスほるぷ)
高齢化社会の現代は寿命が伸び、祖父母は孫の人生により長い期間かかわるようになってきました。
ブックスほるぷの「子育て相談」に訪れる、おばあちゃん世代からは、「孫をどこまで甘やかしていいのか」という悩みが寄せられています。「親は1人目の子どもに対して特に厳しくなるため、子どもは頑張ってしまい、ゆとりがなくなる。それに比べて、孫を甘えさせることができるのは祖父母だけ。『甘やかす』のではなく『甘えさせる』ことで、子どもは委縮せずに楽になれるはず。否定をせずに、無条件で受け入れてあげることが大切」と村上さんはアドバイスしているそう。
また、孫との遊び方に関しては、「歌を歌ってあげる、絵本を読む、お手玉を教えるなどいろいろあるはず。背伸びせずに自分が得意なことをやってあげると、おばあちゃんってすごい、と言われて気持ちもいいはずですよ」(村上さん)。
一方で、娘や息子夫婦とのコミュニケーションに悩むケースも多いようですが、「力を借りたいと思っている親は多い。娘や嫁のSOSを感じたら、自分だけの考えで行動せずに『何をしたらいい?』と尋ねるのもいいでしょう」と村上さん。また、札幌市子育て支援総合センターでも、子育てについての相談を受けているので、利用してみるのも一つの方法です。
長い年月を生きてきた、人生の先輩である祖父母たち。その知恵や経験を生かしながら、上手に娘や息子夫婦たちの子育てをサポートしていきたいものですね。

取材協力/
札幌市子育て支援総合センター(札幌市中央区南3西7、011・208・7961)、
ブックスほるぷ(札幌市西区宮の沢1ノ1ノ7ノ1、011・669・8566)
※次回のシニアスタイルは11月8日付「防滑グッズ」を予定しています

25日に祖父母講座「孫との楽しいつきあい方」を開催

●日時/25日(水)10~11時30分
●会場/札幌市子育て支援総合センター(札幌市中央区南3西7 011・208・7961)
●内容/光塩学園女子短期大学保育科の講師を迎え、「孫との楽しいつきあい方」をテーマに、講義のほか、作って遊ぶ「折り紙」の指導も行われます
●対象・定員/就学前の孫を持つ祖父母、または祖父母になる予定の人
●定員/30人
●受講料/無料
●申し込み方法/12日(木)9時から、電話で申し込みを。先着順(定員になり次第締め切り)
●申し込み・問い合わせ/同センターへ(9~17時、無休)